食糧不足は解決できる。分配がうまくいけば飢餓を防げるだけの食糧は生産されている
食糧問題は、戦争や気候変度、コロナがたびたび問題となっている昨今、急激にすすむ世界的な問題のひとつです。
日本にいると、食糧が不足して問題となっているなど想像もつきませんよね。
でも実際には多くの人が飢餓に苦しみ、食糧を必要としています。そして現在、その全ての人が食べているだけの食糧は生産されているのです。
ではなぜ、飢餓がなくならないのでしょうか。今回は、世界規模で見る、食糧問題についてふれていきたいと思います。
2億5000万人が飢えているアフリカがなぜ飢餓に苦しむのか
アフリカでは多くの人が食糧問題に苦しんでいます。
その大きな理由は、昨今の気候変度でダメージを受けていることがあげられます。
また、紛争や政治的不安定さも原因として挙げられ、日常生活が脅かされる中で、食糧を自給しにくく、そのため収入も得られにくく、教育も受けにくいという循環が、この問題を解決しにくいものとしています。
教育や健康を守るために必要な、最低限の収入と食糧が適切に得られていないことから、天候に左右されない農業技術やインフラ、そして持続可能な開発のための政策という土台を作れず、食糧問題は悪化する一方となっているのです。
インドでは2億人、中国では1億人が飢餓状態。人口の爆発的増加に追いつかない食糧供給
爆発的な人口増加で、食糧生産が追いついていないのがアジア(南アジアや東南アジア)地域です。
これらの地域では、人口増加による食糧問題を解決するための、農業生産力の向上や食糧供給体系の強化が進んでいません。
人口が増えればその分食糧も必要となってきますが、それをまかなうためのインフラが整っていないまま、人口が増加し続けているのです。
インドでは深刻な水不足も問題となっています。
インドは、雨季は6月から9月頃で、それ以外は降水量が少なく、多くの地域で雨が降らないため、飲む水に加え、農作物に使う水も足りなくなっているのです。
食糧の生産量は世界の人口をしのぐ。ではなぜ飢餓が生じるのか?分配の不均衡の問題について
ここまで見ていくと、人口増加や気候変度によって、生産した食糧が足りていないことが問題のような感じますよね。
しかし実は、食糧は世界人口を養えるくらいの量は生産されているのです。
では何が問題となっているのでしょうか?そこには、食糧の分配の不均衡さが絡んでいます。
世界の食糧は豊富に生産されていますが、それが適切に分配されず、十分な食糧を得ることができない人々が存在します。
一方で、無駄に消費されたり捨てられたりしているのです。
とてももったいないですよね。廃棄された食糧があれば、健康やいのちが救われる人々がいるのに、そこに食糧はまわってこないのです。
ではなぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか。
ひとつは生産地が離れているため、輸送コストやインフラの問題から食糧が適切に流通しないことが挙げられるでしょう。
食糧を届けるためにはお金がいりますし、交通手段も必要です。
それらが整っていないところには食糧が流通しにくく、届いたとしてもコストがかかりすぎるのです。
また、食糧の生産と消費のパターンは、地域や社会、経済的な格差を反映しています。
例えば、富裕な国々では高カロリーで加工度の高い食品の消費が増えており、それに伴い肥満や生活習慣病の問題が深刻化しています。一方、貧困国では栄養価の低い食糧しか手に入らないため、栄養不足に悩む人々が多いです。
世界規模でみると、なんとも効率が悪く、うまく循環していないことがわかりますよね。
この不均衡を解消するためには、地球規模での食糧分配システムの見直しや、食糧生産と消費のバランスを重視した仕組みづくりが必要となってきます。
食糧の廃棄を減らし、生産から消費までの食糧供給チェーンを効率化することも重要な課題なのです。
まとめ
無駄に作られ、無駄に捨てられる食糧がある一方、食べることができず日々食糧問題に悩まされている人々がいる。
世界という視点で見ると、食べ物一つの選択肢も変わってきますよね。
私たちのできることはほんのわずかですが、その少しの行動が未来を変える可能性は大いにあります。
まずは日常生活の中で食品ロスを考え、不必要な購入や廃棄は避けていく。これだけでも十分意義のある行動になります。
また、そういう視点で世の中を見ると、食糧問題に目を向けている企業や、取り組みを行なっているお店などを見つけることができるので、そういう企業を応援していくことも大切ですよね。
今回は食糧問題についてご紹介しました。
視点を「世界」にすることで、社会の見え方が大きく変わり、新しい発見と出会えるチャンスとなりますよ。