リユースについて世界レベルと個人レベルでできることを考える
リユースは「再利用」のことです。
持続可能な未来を築くために再利用の習慣や方法は、とても重要です。
リユースは、製品や資源の寿命を延ばして廃棄物を減らし、あらゆるエネルギーを節約することができます。
つまりリユースを積極的に行えば、ゴミは減り、エネルギーも節約できる二重のメリットがあるのです。
今回は、世界がリユースに取り組む中で、個人でどのようなことが取り組めるのか、また日本のリユース率についてふれていきたいと思います。
今、世界が取り組むプラスチックやペットボトルのリサイクル
リユース(再利用)は、製品や資源を廃棄するのではなく、何度も使用することで資源の節約が可能になるのですが、言い換えればそれが実現すれば経済的にも、国家的にも非常に良い効果が得られることになります。
その中でもとくによく話題にあがり、私たちの生活にも密接にかかわるものが「プラスチックゴミ」ではないでしょうか。
プラスチック廃棄物の増加が地球の環境に深刻な影響を及ぼしているため、多くの国がプラスチック使用の削減に取り組んでいます。
この問題には、プラスチックの再利用のための技術を強化する点と、プラスチックに変わる素材で再利用が可能なものと置き換える対策の、2つが行われています。
日本では、ペットボトルの回収率は93%で、そのうちの再利用率は85.8%と言われています。
思ったより高い数字ですよね。
これは、リサイクル率、回収率ともに世界トップレベルです。
確かに、ペットボトルを燃えるゴミで捨てるより分別するという人の方が多いと思います。
しかし、この85%で頭打ちになっていることも確かです。
残りの再利用されない理由は「ペットボトルの中に飲料が残っている」「キャップやフィルムがついたままになっている」「たばこなどが回収箱に捨てられていて、それらがペットボトルの中に入ってしまっている」などです。
これらが改善されれば、もっとたくさんのペットボトルが再利用されますよね。
プラスチックゴミのリサイクル率は24%。リサイクルが増えない理由
一方、プラスチックのリサイクル率は低いままとなっています。
プラスチックはペットボトルと違い、多くの種類があり、それぞれ異なる特性を持っているために、リサイクルプロセスが複雑になっていることが理由として挙げられます。
また、特定の種類のプラスチックしかリサイクルできない場合があります。
同時に、プラスチックはリサイクルして使うよりも、新しく作った方が価格が安くすむ場合も多くあり、企業としては、リサイクル技術を取り入れることは投資でもあり、費用がかかるものでもあるため、なかなか定着しない点が挙げられます。
一方、捨てる側にも課題があります。
プラスチックゴミは、汚れがついた状態ではリサイクルされないのですが、綺麗に洗ってゴミを分別する家庭の割合が少ないのが現状でしょう。
また、商品が入っている箱は紙だけれど、中の袋はプラマークが付いているなど、箱と袋を分別して捨てる習慣がない家庭も多いのではないでしょうか。
これらは、ゴミ分別の意識づけとマークの見やすさなど、自治体や企業の取り組みも重要となってきますので、個人レベルでできることといえば、細かな点まで分別する意識を持つことが大切となってきます。
リサイクル推進協議会
再利用品を取り入れる、二次資源市場の促進がリユース思考を活性化させる
再利用品というと、新品の方が良いという印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
海外では蚤の市など、日常的に中古品を買って家庭に取り入れる習慣が多くあります。
日本でも、フリマアプリやフリーマーケットなど、利用する人が増えているとはいえ、安く簡単に購入できる環境が整備されているため、つい新しく買ってしまった方が早いと感じる人も多いですよね。
また、新しいものを買って古いものを捨てるという消費型の生活が根付いているため、古いものを長く大事に利用するという考えがなかなか浸透しない点もあります。
古いものでも大切に長く使うためには、購入する商品の歴史やデザインを意識し、安さにとらわれずに物を見る目を養うことも重要ですね。
また、教育機関でも、早くから物を消費する考え方やリサイクルの意識をしっかり伝え、ひとつのものを大切に使い続ける習慣を養いたいものです。
まとめ
今回はリユースについてふれてみました。
今問題となっているプラスチックゴミを削減していくことはもちろん、普段から再利用を意識すれば、無駄な買い物も減り、古くても良い物を見る目が養われることで、再利用品を日常に取り入れることが普通となっていくかもしれないですよね。
モノが溢れる日本で、本当に必要なものだけを手元に残す考えは、子供の頃からきちんと身につけていけば、無駄遣いも減って良いかもしれません。
まずは、周りにあるモノから見直してみませんか。